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ブロークバック・マウンテンのrsのレビュー・感想・評価

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カウボーイのふたりは、山での青春を忘れられずに、灰色の日常をやりすごし、時にすれ違いながらもわずかな逢瀬を重ねる。

次はいつ逢えるやらと、恋人の背中を見つめる男。
振り向きもしない夫の背中を見送る妻。
つながりが持てない苦しみを、言葉ではなく、寂しさと諦めの入り交じる瞳が物語る。

家族を遠ざけて傷つけて、それでも ふたりは一緒にいられずに、歳月が経つ。

大人として、親として、子を送り出したとき、ようやく祝福の瞬間が来る。
あの山の匂いを抱くように遺された衣服に、更に衣服を重ね、誓うよ、と呟く。将来の約束ができなかった男の、20年越しの誓いだった。
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