上海十月

ブロークバック・マウンテンの上海十月のレビュー・感想・評価

4.5
水道橋博士があまりの男同士のラブシーンに驚くといっていたので、「うーん、気持ち悪そうか?」とかなり躊躇していた作品。観て思うのは、もっと早く観るべきであったと・・・現代で普遍的な愛を描くとこうなってしまうというアン・リーのコスモポリタンな作品。カウボーイは、アメリカの象徴であり男らしさの代名詞である。それが、男同士で愛することは、当時は、明らかに死を意味する。「ミルク」でも描かれるようにアメリカはリベラルに見えるが多くのアメリカ人は、保守だ。第三者の両方の妻、アン・ハッサウェイ演じる妻の両親、イニスの娘が入ることで複雑になりながら普遍的な愛とは?と我々に投げかける。ラストの血まみれなシャツを抱きしめるところが男同士ながら純愛にも見えてくる。(今はやりのボーイズラブ?)ここまでしないと禁断の恋が描けない時代でもあるのだ。イニスがジャックの死を知るシーンが見事。そしてエンドロールで流れる主題歌を聞くとジーンと来る(男同士の恋愛なのに???)。アン・リーは、キューブリックなみに同じような映画を撮らないが、どの作品もかなりのレベルであり巨匠といっていい監督の一人と思いますね。
上海十月

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