上海十月

刺青の上海十月のレビュー・感想・評価

刺青(1966年製作の映画)
4.5
宮川一夫監修の4Kリマスターで黒がとにかく素晴らしい。若尾文子だけを綺麗に撮る事に特化した作品。ほぼ連続大量殺人の話。根っからの悪女を若尾文子が演じて清々しい。増村保造作品の登場人物がみんな身勝手で欲望を隠さない。そして登場人物に共感ほとんどできないほどドイヒーな話。エロチズムと耽美の谷崎文学と増村保造は、一見合わなそうだが、スピーディーな演出と若尾文子の啖呵台詞に妙に納得されながら最後まで見切ってしまう。山本学も不気味で、ある意味神の視点か。宮川一夫の構図も決まっていて傑作だろう
上海十月

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