『ちょっとしたエロティック要素もからめてコメディタッチにしたのが発明かな』
(仲間を集めて強盗を決行。仲間同士も騙しだまされという)いわゆるケイパームービーは、1950年代からありましたが、本作、リアリティを無視したコメディ路線を開拓したのが画期的なのではと思います。しかもリアル峰不二子までからんだらね、もう。
子供の頃テレビで観ただけの作品。90年代のオシャレ音楽映画としてのプチリバイバルの時は蚊帳の外だったので劇場上映知りませんでした。今回、日本での最終上映ということで劇場へGO! 前半の金塊強奪のシーンは結構覚えてましたが、後半の騙し合いからの何とも言えない結末までは、全く覚えていませんでした。
なんて言うんだろ。決して大爆笑させるようなコメディではないけど、リアリティのない物語の中でハラハラしてなんかニンマリしてしまう感じ。なんせリーダーが使う指令装置(卓?)が007というよりその亜流の映画で出てきそうなチャチな機械ですからね。小さいレーダーついてるし。そんなコメディ要素を補うために出てくるリーダーの相棒の女性(なんと監督の奥さん)が、意味もなくシーン毎に異なるセクシーな衣装で登場して、ほんとリアリティなし。そこがいい。
ふと思いました。少し前に「ミニミニ大作戦」オリジナル版のレビューを書いたんですが、あちらもヨーロッパ中から一流の人材を集めて強奪事件を起こす映画で、ミニ・クーパーを使った超絶カーアクションが炸裂するんですが、ハードな作品と思いきや、集まった一流の悪者が、なーんかよくわからない冗談とか言い合ってるんですよ。なんじゃこりゃと思ったんですが、たぶん、本作のようなテイストを狙ったんじゃないかと思いました。残念、失敗。
犯罪映画なのに、ちょっとエロティックで、ふんわりしたコメディである世界を、超オシャレな音楽で包み込んでいる本作の世界観は、まぁ簡単には真似できないんだと思います。(「ミニミニ大作戦」はハリウッドリメイクされましたけど、本作そのものはリメイクないですもんね)
※日本人としては、ルパン三世として結実させましたと言いたいところです。