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いわさきちひろ 〜27歳の旅立ち〜のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

3.8
淡い色彩のなかでこちらをまっすぐに見つめる少女。海に向かって走り出す少年。雨の日に憂いている少女。いわさきちひろさんの描く子どもたちは忘れ難い。詩情あふれる作品を描いたちひろさんはご自身も絵のようにふわりとした佇まいだが、壮絶な過去があったことに驚いた。どんなに苦しかったことだろう。柔らかさの中の強い芯、ぶれない芯は、一方ご自身を苦しめたものでもあった。あどけなさと哀しみが同居している子どもの瞳にいわさきちひろさんの瞳を重ねた。

黒柳徹子さんが館長をされている安曇野の美術館には行ったことがある。東京の美術館もいつかふらりと行ってみたい。

絵は好きだけど、ちひろさんの思想が…と言う人に会ったことがある。そういう偏見の中でも闘ってきたのだろう。ドキュメンタリーではあえて触れていなかった。
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