似太郎

エド・ウッドの似太郎のレビュー・感想・評価

エド・ウッド(1994年製作の映画)
5.0
いままでティム・バートンの最高傑作は『シザーハンズ』だと思っていたのだが、本作を観て確信。この映画こそがバートンの真のマスターピースである。

何を撮らせても駄作ばかりの映画監督エドワード・D・ウッドJr.とヘンテコな仲間達の和気藹々とした「映画作り」の一部始終を描いた正しく映画内映画の傑作と言える。一貫して駄作を連発する主人公。でも、何故だか非常に愛しく思えてくる。

主演のジョニー・デップが怪しいオーラを醸し出すエドを怪演しており本作が彼のベスト演技と言えなくもない。バカバカしいものに対する情熱に溢れており素晴らしい。いつだってゴーイング・マイ・ウェイ。

また、敬愛するオーソン・ウェルズのような天才的映画作家にはなれない主人公、エドの直向きなスタンスがしみじみと泣ける一作でもある。オールド・ハリウッド志向のモノクロ画面から漂う「作り物感」が何とも心地良く、その辺もまたバートン印と言える。

監督ティム・バートンの偏愛するテーマ「異形のモノへの拘り」が、本作に於いて自身の姿と投影させた一種の私映画とも取れる内容になっている。バートンにしか作り得ない、最高の伝記映画でありエンターテインメントとなった。
素直に拍手👏を送りたい!
似太郎

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