似太郎

10番街の殺人の似太郎のレビュー・感想・評価

10番街の殺人(1971年製作の映画)
4.8
【少女趣味】

イギリスの首都ロンドンを舞台にしたサイコスリラーで、『夢去りぬ』『絞殺魔』と並び称されるリチャード・フライシャー監督による実録猟奇犯罪映画の傑作。

とにかく主演の殺人鬼リチャード・アッテンボローが気持ち悪過ぎ、罪の濡れ衣を着せられるジョン・ハートが可哀想過ぎる。(笑)

極めて正攻法な演出で、ヒッチコックを思わせる英国臭の漂うシュールな画作りとキャラ造形は出色モノである。職人監督フライシャーの力量が発揮された「映画ならではの表現力」が素晴らしいキレ味抜群のスリラー。

『絞殺魔』でやや技巧に走り過ぎた反省もあってか、本作ではとてもオーソドックスな映画作りに回帰したかと思われる。変態殺人鬼を描いたスリラーとしては『血を吸うカメラ』や『コレクター』なんかを想起させる出来栄え。

不気味且つ滑稽味のある主演アッテンボローの変態おじさんの演技に拍手喝采!👏
似太郎

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