ヴぇる

エド・ウッドのヴぇるのレビュー・感想・評価

エド・ウッド(1994年製作の映画)
3.9
ティム・バートン、ジョニーデップ作品が合わない私にとっては彼らの作品群の中で1番好きな作品になった。
史上最低と言われた監督の姿が前述の2人の演技と演出で華麗に描かれている。

クリエイターにとって、今作は誰しもが頭をよぎる内容であることだろう。何故ならどれだけ自分が大傑作だ…!と感じていてもその逆の評価になってしまうことは必ず有り得るのだから。

内容に触れると若きジョニーデップの演技は少しくどいがハマり役と言える程に素晴らしい。周りを小馬鹿にするような演技はピカイチだ。
さらに助演でオスカーを獲得した通り、マーティンランドーの演技は鬼気迫るものを感じるし、周りを固める他の役者も同じだ。全てのキャストが実在しているんじゃないか?と錯覚するようなレベルで最後まで感情移入し楽しめた。

脚本自体はそこまで盛り上がるものでは無い。ほとばしる情熱が他人の金を浪費し酷い映画を作る、というものだ。創作も数多く存在し、例えばベラルゴシが悪態を着く事等はなかったらしい。
ただ、映画好きとしては心に来るような会話や言葉で虜にしてくれ、単純に面白い。

総評としては、ある意味クリエイターに対しての警告的な意味合いのある映画であるにも関わらず、最終的には視聴者側に感想を委ねているのは気に入った。
今作が興行成績でもエド・ウッドの様に大惨敗しており1/3も回収出来なかったことは体を張ったギャグとして笑ってあげる所だろう。
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