歌うしらみがおりました

壁あつき部屋の歌うしらみがおりましたのレビュー・感想・評価

壁あつき部屋(1956年製作の映画)
4.0
刑務所という閉じた世界の中で交わされる牧歌的な会話、やり取りに日常を感じる。アプローチは全然違うけど、ジャームッシュの『ダウン・バイ・ロー』を思い出したりした。
記憶に残るのは発砲音と共に壁に穴が開き、覗き込むと悪夢のようなフラッシュバックが見えるところと、法廷で背景が黒くなり、絶望した顔にカメラが寄っていくとパンアップして真上に裏切り者が見えるところ。あと髭を剃るシーンが一番怖い。しかし、髭を剃り覚醒したように思っても、裏切り者一人殺せないままSUGAMO PRISONに戻っていく。そして日常が続いていく。
そういえば俯角のショットが野蛮だったね。