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壁あつき部屋のefnのレビュー・感想・評価

壁あつき部屋(1956年製作の映画)
3.8
 安部公房が脚本を書いている割に独創的な独白が少ない。むしろ心理サスペンスとして仕掛けが張られていて面白かった。会話劇なので映画的な要素は少ないが、トラウマを構図の一致で表すあたりは小林直樹っぽい。
 刑務作業中に覚えた石割の音が、夜中に監房の外壁を引き剥がしながら戦時中の記憶を引きずってくる(効果音の一致)とか、元上官が足を崩した一瞬に自分が殺した原住民の姿を思い出す(構図)あたりがよかった。
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