てつこてつ

チーム・バチスタの栄光のてつこてつのレビュー・感想・評価

チーム・バチスタの栄光(2008年製作の映画)
3.4
「このミステリーがすごい!」大賞受賞作の海堂尊氏の原作は未読。関テレ制作の連ドラ版も未視聴。

原作者が現役の医師だけあって、脳外科手術の不審死の真相を追究していくストーリーだが、説得力があるし、難しい医療用語が台詞で登場しながらも、さりげなく映像の中でフォローしてくれるので一般視聴者にも見やすい良質なメディカル・ミステリー。

阿部寛が、これまたクセのある厚生労働省のエリートとして登場するが、「新参者」シリーズとは違った味わいのキャラクターで見事な役作り。

彼が演じる人間の感情などに全く興味がないかのように見える`ロジカル・モンスター'とは対照的な、日々患者の愚痴に優しく耳を傾ける'愚痴外来'の担当医を演じた竹内結子は、人間味溢れる役どころにユーモアも交えた作品のヒロインに相応しい見事な演技。竹内結子という女優さんは、同世代の実力ある女優陣の中でも、剛柔共に演じ分けられる希有な存在であったため、つくづくも早すぎる死が惜しまれる。

バチスタ手術の若き名医の役どころは、最初、誰が演じているのか分からなかったが、エンディングロールで吉川晃司と知って驚き。そう言えば、ミュージシャンのみならず、若い頃から映画作品にも出ていたなあ。彼の'文字通り’右腕役の池内博之もいい味出してる。

ココリコの田中直樹・・「サイレン」を見た時も思ったんだけど、本職が芸人さんというカテゴリの中では、原田泰造と並んで芝居のほうでも十分勝負できる程の実力。

十分面白い作品だったけど、せっかくの劇場版なんで、もう少しロケ撮影などでゴージャス感盛り込んでも良かったかな。

ところで、手術の失敗で死亡した患者の死因追求の解剖しない・・とか、結構ショッキングな情報なんだけど、今でも大病院ではそんなものなの?
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