菩薩

ざ・鬼太鼓座の菩薩のレビュー・感想・評価

ざ・鬼太鼓座(1981年製作の映画)
3.9
血湧き肉躍る鬼太鼓座の気迫溢れる撥さばき、を台無しにする一柳慧の電子音!最高じゃないか、一柳×横尾と言えばかの迷盤「オペラ横尾忠則を歌う」のコンビなのであり、この犯行は確信犯的だと思われる。とは言え内容的にそんな酷いものでは無かった気がすると言うか、もっと時空も次元も飛び越えてワイワイするものかと思ったら演奏・舞いのシーンは見事に収められてるし、ドキュメントシーンはつまんないし、逸物の形がくっきり浮かび上がる褌を真下から撮影しちゃうとこなんてもはやモザイクの存在意義すら否定する心意気を感じた。加藤泰はきっとこの映画で「伝統」と「現代」の融合を果たそうとしたのだろう、と勝手な擁護すら与えたくなるが、それでもこの映画が諸般の事情を生んだのであれば、戦犯は明らかに一柳さんであると思われる。だか敢えて言おう、

この映画が嫌いでも
一柳慧を嫌いに…

いや、辞めておこう。とりあえず電子音楽ファン必見!ストックハウゼンやジョン・ケージ、NHK電子音楽スタジオに興味関心心当たりがある方には是非観て頂きたい!題字がかっこいいと思ったら粟津潔だった。
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