陣内栄

恐怖の足跡の陣内栄のレビュー・感想・評価

恐怖の足跡(1962年製作の映画)
3.0
メアリーが挙動不審で、時々テンション上がって、ヒステリックになって、どこかおかしい。それが始まりから終わりまでずっと続くということにホラーの見どころがある。主人公のイカれ具合と転び方のセンスがすごい。

主人公というか出てくる登場人物全員がどこかおかしい。急にトランス状態になる主人公、私は優しいですアピールの下宿先のおばさん、気持ち悪い口説き方をする向かいの住人、異様に距離感が近い医者、主人公の弾いたオルガンの曲に激昂する神父。癖のある登場人物が多く、恐怖が集団的に呼び起こされている感覚になる。実は主人公は死んでいた、という結末はどこか異様な登場人物たちの集団心理によってより奇妙に感じられる。

メアリーが教会でトランス状態になりながら演奏した曲の何が悪くて神父にクビにされたのか知りたい。
陣内栄

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