走るにしても
理由が要るなんて
だから嫌だった
熟れること
真っ青なまま落ちる
譬え腐ろうとも
それは本望だっただろうに
いつかきっと
このテープも切れて
撮り零してしまう
そんな瞬間こそ
美しいのに
やっぱり悔やんでしまう
全部が欲しいから
こればっかりは
どうにもならなくて
帰り道をただ走るしかなかった
逃げるにしても
勇気が要るなんて
すぐに諦めた
群れること
真っ当なまま飽きる
譬え燃えようとも
それは同等だっただろうに
いつかきっと
このロープも切れて
踏み外してしまう
そんな絶望まで
美しいのに
やっぱり目指してしまう
一度は見たいから
そればっかりで
どうにかなりそうで
下り坂をまた進むしかなかった
消えて失くなることを
それほど恐れなくてもいいと
気がつくためのその痛さ
いつかきっと
このテープも切れて
撮り零してしまう
そんな瞬間こそ
美しいのに
やっぱり悔やんでしまう
全部が欲しいから
こればっかりは
どうにもならなくて
帰り道をただ走るしかなかった
