ハレルヤ

ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のハレルヤのレビュー・感想・評価

3.6
BSプレミアムシネマにて初鑑賞。
戦後からわずか14年ほどしか経っていない広島を舞台に、そこで映画の撮影をしているフランス人女優と、日本人建築士のロマンスを描いたラブドラマ。

官能的なタイトルとは裏腹に、この映画の持つテーマは非常に重いです。
戦争で大きな心の傷を負った男女を描きつつ、原爆の被害を受けた当時と、復興しつつある今(60年前)の広島の様子を丁寧に描いています。

正直映画自体の面白味はそれほどありません。オープニングからの15分間。原爆投下直後の凄惨な広島の状態が流れ、その後は主演2人のドラマに転じていきます。

そこでもドラマティックな演出や展開もほぼなく、直接的な表現も少な目。
主人公の女性の苦悩を独特のタッチで描くので、ある程度見る人を選ぶ感じの映画かもしれません。

ただ残念なのは、岡田英次演じる男側の描写がほぼ皆無。原爆で家族を亡くした設定ですが、あまり悲哀な感じがしなかったです。
むしろ女性にひたすら「広島に残ってくれ」と言い続ける姿は一歩間違えたらストーカーレベル。
岡田英次本人はとても魅力的でカッコいいのに、演じる人物像がダメでしたね。
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