ひろぱげ

オープニング・ナイトのひろぱげのレビュー・感想・評価

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)
4.0
酒と煙草と女優!女優!女優!

舞台女優マートルは終演後、出待ちのファンの中にいた常軌を逸した熱烈な少女と遭遇する。その直後の展開にまずビックリ。
以後、マートルはその芝居『第二の女』(とその役柄)に対する違和感を増していき、どんどん不安定になっていく。酒飲みすぎ、煙草吸いすぎ。やがてキャシー塚本(笑)みたいな感じになっていったりして、共演者、演出家、劇作家、プロデューサーともどもハラハラさせられたりもしたけれど、ニューヨーク公演の初日(オープニング・ナイト)を迎えるのだった・・・。

我々はいったい何を見せられているのだろう?と思う瞬間が何度も訪れるが、とにかくマートルを、そして彼女が演じるヴァージニアを、二重に演じたジーナ・ローランズに圧倒される。
最終盤、緋色のドレスを纏ったヴァージニア=マートル(=ジーナ)が、舞台袖のスタッフから「こんなに飲んでいてこんなに歩いてる人、初めて見ましたよ」とかなんとか言われながら、吸いかけの煙草を口から取ってもらうシーンにグググッときた。

共演者もみな素晴らしいけど、渋い声で「自分で歩け!!」とかけしかけるベン・ギャザラ、カッコイイ。そして最後の最後にチラッとピーター・フォークも顔見せたりなんかしたりして。

「老い」と「若さ」みたいなテーマがあるとは思うんだけど、そこしっかり描くというより、「役者魂」(のようななもの)を映像化したぜ、みたいな感じがしてならない。(しかし、あの幕が開くまでのヒヤヒヤは心臓に悪いぞ)
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