オープニング・ナイトの作品情報・感想・評価・動画配信

「オープニング・ナイト」に投稿された感想・評価

湯っ子

湯っ子の感想・評価

3.4
この三夜をこの映画と過ごした。どうしても寝ちゃう。「ハズバンズ」「こわれゆく女」はものすごく惹きつけられて2回観たんだけど。
ジーナ・ローランズはすてき。だけど、私としては、この時より若い頃から成熟した雰囲気や貫禄を持っていたように思えるこの女優が、老いを受け入れられずにジタバタするというのが、いまいちピンとこなかった。
若さやみずみずしさ、未成熟さを売りにしてる女優とは思えない。彼女が必死で否定する老いってなんなのだろう。
最後の舞台のシーンで、観客が爆笑してるのも意味がわからない。私には難しい映画でした。
とぅん

とぅんの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「老い」をテーマにした劇に飲み込まれていく女優を描いた作品。

一個前に観たジョン・カサヴェテス監督作の「こわれゆく女」が、めちゃくちゃ高密度な居心地の悪さを提供してくれたので、こちらも観てみたが、「こわれゆく女」ほどの感動はなかったかな。

冒頭で彼女のファンだという若い女性が車に轢かれて即死した後、主人公の女優の前に想像上の存在として現れる展開が突然でビックリしたけど、
やはり今作でもジーナ・ローランズ演じる主人公の精神が崩壊していく様をジワジワと時間をかけて描写していくので、なかなか苦しい。
というか、少しだけ冗長にも感じてしまうような長さだったかなとも思う。

最後のアドリブの応酬で劇を乗り切るスリリングさは見どころかと思ったけど、劇自体が面白いのかどうかあまり伝わってこなかったのが残念だった。
U-NEXTの配信終了前にギリギリ間に合った

でも眠さと酔いで最後はキツかった。
しかしウイスキー合う映画でしたよ。

今作ももろに女性の話であり、
ジーナ・ローランスが苦しむ作品でした。

パッションに突き動かされているだけのような17才の少女との出会いと死、
不本意に演じさせられる老齢の女、
当時はそんなもんだったのかもしれないが
演出家も舞台上でも不条理にぶたれるということ。
その全てと向き合おうとする一方で、
逃避するように煽るウイスキー。
女優であるがゆえに女であることを軽視され、
単純な愛情を乞うことすら拒絶される孤独。
なんか是枝監督の「真実」すら陳腐に思えるほど、
女優だって女であり、人間であることを突きつけてくる。
(まぁあのファビエンヌのような女優だって当然あり得ると思うけれど)

ただ本当に娼婦だったり女優だったり、
女性性に依拠しがちな職業の女性の視点から
彼女たちの苦しみと不条理を描かせると
マジで現在に通じるものにしてしまうカサヴェテスの演出すごすぎ。
宮尾登美子の作品にも通じる強度に魅了されました。
強引に4作見れてよかったし、
他にもまだU-NEXTで見られる作品もあるので
これからカサヴェテスは見てきたいと思います。
特集したcoyoteのバックナンバーも買ったし。
老いを実感したことにより精神疾患を起こしてしまった舞台女優の苦悩の日々を描いたヒューマンドラマ。

『こわれゆく女』に引き続き、ジーナ・ローランズの演技が凄すぎる。『君に読む物語』や『ナイト・オン・ザ・プラネット』にも出演しているのですが、ジョン・カサヴェテス監督作品を観て初めて認知しました。

どこに行き着くのか全然わからない面白さもあり、特に最後のオープニングナイトの公演では鳥肌が止まらなくなりました。彼女なりの結論があのオープニングナイトになるわけなんですが、とても力強く、演技を超越しているように感じました。2時間半と長く、内容的にも体力を使う作品ですが、圧巻の熱量に引き込まれる素晴らしい映画です。
ある大女優の苦悩。「老い」と「若さ」時間とともに、失われていく物への葛藤。演じる役と自分自身の境目に、抗う危機感が芽生える。舞台上の華やかさとの対比が見事です。魅了させる底力の裏に潜む磨り減る精神。
これ観直しててぐわっときたのは、米映画の極北カサヴェテスに対する欧映画の極北ベルイマンという思いだった。中盤ではベルイマンの『鏡の中の女』が二重映しになってビビった。観終わって両者のフィルモグラフィー参照してみたら、ベルイマンが『処女の泉』撮った年にカサヴェテスは第1作『アメリカの影』を撮り、本作は『秋のソナタ』と同年作、両者の集大成大傑作『ファニーとアレクサンデル』と『ラブ・ストリームス』は一年違い。どれもぜんぜん似てないけど、どれも別次元超絶映画として欧と米で響き合ってる。両者の看板女優ジーナ・ローランズとリブ・ウルマンも別次元超絶アクトで響き合っている。まあ俺の中では響き合ってしまった。どちらのどの映画もうっかり未成年者に観せたら爆睡を超えて昏睡状態におちいるか、ギャっと泣いてこんなの映画じゃないと喚き出す気がする。どれも人間の、生の深淵を見せつける危険な映画群だ。そして俺も君も残念ながらそんな人間として生きてる。残念ながら逃げ場はない。観念してこの映画群を愛すしかないのだ。
jun

junの感想・評価

3.7
記録

製作者、脚本家は無視しても舞台が素晴らしければいいのか…。もう2度と使いたくないだろうな。

圧倒的パワーを感じる女優!!
ラストの演技は仕草まで追ってしまう!!
分からん、分からん。さっぱり分からん。

舞台そんなに面白いかね。そんなに絶賛されるほど面白いかね。
あと純粋に長かった。

主人公はあの出来事が起こるまでとはどんどん違う女性に変化していく。
まさに彼女の中の第二の女が目覚めたかのごとく。
いや、もっと複雑だな。

私は感受性がかけているのか。
面白いと思えない私が良くないのか。
いや、人の感受性は人それぞれだよね。
だからいいの、今の私には解らなかっただけ。
憚り

憚りの感想・評価

4.0
最初の「少女」との邂逅が見事すぎて引く。重なることのない手の反復、鏡とガラスの差異、ジーナ・ローランズとローラ・ジョンソンの彼我の曖昧さ。登場のたびに画面上で肉体性を帯びていく「少女」が、一方で物語上は非実在性を強めていくのも面白い。
クローズ・アップがとにかく暴力的なのだが、(クライマックス含めて)作中作ではミドルや引きが主体で、接写はほとんど使われなかったりする。観客の声と姿が作り物であることを強調するとともに、マートル/ヴァージニアの境界をあやふやにするキーだったり
【「こわれゆく女」の監督×主演女優タッグが、役柄と現実の自我の乖離で苦悩し、“こわれゆく女優”を描く】

先日の「こわれゆく女」があまりにも面白かったため、配信終了間際のジョン・カサヴェテス作品マラソンを決行。2作目となる本作を観て確信しました。私、この監督の作風が物凄く好きです。非常に中毒性があります。本作も「こわれゆく女」に負けず劣らずの魅力的な作品でした。

大まかな設定としては、「こわれゆく女」に続き、ジーナ・ローランズが演ずる超人気舞台女優マートルが、舞台で演じる主役に入り込む過程で、役柄と現実の自分の自我の乖離の中、迫りくる老いという現実を意識し、もがき苦しみ、アルコール依存と神経衰弱を起こして、またも“こわれゆく”姿を描いていく。

同じ主演女優、精神衰弱の女性の話、となると「こわれゆく女」の二番煎じ的に聞こえなくもありませんが、そもそも「こわれゆく女」は一般家庭での話、本作は人気女優と彼女が関わる舞台のまさに舞台裏を描いているので、そもそものシチュエーションが相当異なりますし、「こわれゆく女」は精神疾患を持つ女性メイベル本人の視点ではなく、あくまでもその周りの家族視点で客観的に描かれているのに対して、本作は精神衰弱した女優マートル本人の主観的視点が多く(メイベルに比べると、精神状態もやや前段階)、作品全体の印象は大きく異なります。

特に、「こわれゆく女」は、客観的な視点で描かれるためジーナ演じるメイベルの外から見た“言動”に我々は違和感と不安感を抱くものの、そこからメイベル自身の思考の奥底に踏み込むことはあまりできません。しかし、本作はマートルの表に見える言動に加え、例えば彼女が老いへの恐怖から生み出す幻覚を可視化するなど、思考の奥底に触れる描写が多く、その表面的な言動と内面的な苦悩のどちらをも描いています。そして、そのマートルの繊細さと脆さを完璧に表現し、観る者の興味を惹き続けて離さないジーナ・ローランズの演技は「こわれゆく女」に引けをとらない圧巻のそれでした。

また、ジョン・カサヴェテス監督の2作品を観て気づいた、彼の作品に中毒性を感じる理由の1つに、独特なシーンの移り変わりと音の使い方があります。シーンの切り替わりについては、しばらく淡々とした長回しが続いたかと思いきや、何の前触れもなくブツ切りで唐突に場面が変わることがよくあります。また、音については他の楽器を入れずピアノ単独で作られた音響が多く、こちらも甘めの旋律が流れていたと思いきや、突如ベートーヴェンの「運命」の冒頭のような激しいピアノ音が挿し込まれます。この独特な演出が作品の緩急を作り上げ、ジーナ演じる主役の女性たちの一瞬落ち着いていたかと思えばいつ爆発するか分からない常に不安定な精神状態を表現しているようで、作品を通して漂うヒリついた緊張感を醸成しているように思います。

なお、「こわれゆく女」も本作も、これだけ精神的にボロボロになる女性を描きながら、最後は徹底的に悲観視するわけではなく、敢えてそれまでの話と距離をとった締め方で受け手側を突き放すようなところが個人的に好きです。

作品鑑賞後に解説を読んで知ったのですが、ジーナ・ローランズとジョン・カサヴェテスは夫婦だったのですね。しかもその実の息子にして「こわれゆく女」にも子役として出演していたニック・カサヴェテスがジーナ出演の「きみに読む物語」の監督だったとは。私は映画や俳優の背景をあまり勉強しないで作品を観るのですが、この繋がりも大変興味深かったです。

完全にジョン・カサヴェテス中毒となったこの体。今月配信終了の残り3本も、他の配信終了作品を諦めてでも、なんとかコンプリートしたいところです。
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