北川

楢山節考の北川のネタバレレビュー・内容・結末

楢山節考(1958年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

全編セット撮影というのがすご過ぎる。古典芸能的な舞台演劇だけでなく、カメラワークも計算し尽くされた、完成度が高過ぎる映画だった。シーンの移り変わりで、舞台的な幕の下しとズームを併せた、2回出てくるカットが好き。やはり昔の邦画はすごかった。
ストーリーは実にシンプルながら、田中絹代の演技と、リアルに感じる村の演出が相俟って、とにかく親子の悲哀を感じる。息子に素晴らしい後妻が見つかり、心残りこそなくなれど、やはり死への恐怖と大切な息子との別れには耐えられないのか、山への出発から最後まで一言も発しない姿に心を打たれる。
北川

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