vivo

アイ・カム・ウィズ・ザ・レインのvivoのレビュー・感想・評価

2.0
やたら濡れた男の裸ばかり見せられる映画だなぁ、なんて思ってたら厳かにエンドロールに入ってしまい、思わずぽかーんとしてしまった。物語は、救世主の受難を現代で表現した異色ファンタジー。他人の心の痛みにシンクロし深く傷ついた男が、他人の身体の痛みにシンクロし傷つき続ける男と出会う。そして最後に美しい十字架が生まれる。この大きな物語の流れはどこか詩的で良いと思うのだが、最終的に何を訴えたかったのかがイマイチ伝わらない。妙にグロテスクな映像や、無駄としか思えない幾つかのエピソードが邪魔しているのかもしれない。しかしながら、雨の中で「彼」が生まれるシーンはとても美しかった。雨、植物、小さな生き物、そしてそれらを材料としてそこに存在するかのような人間の姿が、非常に鮮やかに映し出されていた。この映像こそがこの監督の持ち味なんだよなぁ。
vivo

vivo