シャチ状球体

ゴースト・オブ・マーズのシャチ状球体のレビュー・感想・評価

ゴースト・オブ・マーズ(2001年製作の映画)
2.6
未見のカーペンター作品を消化していこうと思って観た作品その1。

まず、冒頭の恐らくCGで表現された火星都市のビジュアルは素晴らしい。でも、未来の人類が火星に住んでいて女家長制を敷いているという設定は大分無理があるのでは……。

プロローグ後に始まる襲撃事件の生き残りの回想シーンは出来が良くない。特に魅力のないやたらと説明口調な5人組がだらだらと辺りを探索したあと留置場を発見し、その中で出会った博士の回想シーンが始まる。まさかの回想シーンの回想シーンである。
その後も現在の独白シーンと過去の回想シーンが(意味もなく)続き、フリー素材のように単調なBGMを延々と聞かされた後にようやく待ちに待った"しょぼいモンスター"との戦いが……。
ちなみに、この重複回想シーンは劇中で何度も出てくるので覚悟をしておいた方が良い。中盤ではついに"回想シーンの回想シーンの回想シーン"が登場し、「頭が頭痛で痛い」みたいなくどすぎる演出の連続で本当に頭が痛くなってくる。

特に隊長が死体で発見されるシーンは酷い。ダダダダ、ダダダダダダ×∞というメタル調のダサい(当社調べ)BGMをバックに白塗りの部族のような悪霊に憑りつかれた人間たちがハイテンションで公開処刑をしているという地獄の場面で、見ているのが辛くなるほどにセンスがない。

設定もキャラクターも活かすことが出来ておらず、よほどのカーペンターファンじゃなければおすすめできない映画。こんなに印象に残らないジェイソン・ステイサムも珍しい。
アクションシーンだけは一応ちゃんとしてます。
シャチ状球体

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