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チェンジリングのcyberiancorgiのレビュー・感想・評価

チェンジリング(1979年製作の映画)
3.0
とにかく人から演出から霊障から、品が良い。見ていて何もイヤな気持ちにならない格調の高さ。
幽霊屋敷の怪異に脅かされる、でも主人公は怖がらない、何だお前は要件を言え。そこに恐怖はない。だからこっちも怖くない。
なぜなら主人公が恐れていたことは既に起きてしまっているから。彼には悲惨な過去がある。
事件の中心人物たる議員だってそう。彼だって過去の悲惨な事件に間接的に関わっている。
ホラーな出来事は既に終わったあとの物語。
霊も過去も人に付き纏う。霊ならば成仏してくれるかも知れない。でも過去はいつまでも消えない。時折りふと思い出しては、叫びたくなる。
真にホラーたり得るのは、過去。
事件は解決して映画は終わる、けど実は主人公にとっての恐怖案件は何も解決していない。
この後に新しい住まいを見つけてたって、叫びながら目を覚ますことになるんだろう。これは怖いことだ。
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