ゆうゆ

ブライトスター いちばん美しい恋の詩のゆうゆのレビュー・感想・評価

4.7

" いっそ僕らが夏の三日間を生きる
蝶であったなら…
平凡な50年を生きるより
深い歓びの日々になる "

初めて味わう恋の悦びを
自由にたゆたう蝶に閉じ込め
永遠の愛を願う

冷たく尖った針と無機質な生地の感触しか
知らなかった彼女が
繊細で朧気な青年と出会い
言葉のもつ美しさに触れ
その柔らかな唇のあたたかさを知る

交わしあう言葉、
小さな詩に封じ込めた想いに
愛おしいひとの面影を追い
やさしいキスを送り
お互いを感じあう
踊るように絡み合う指先の狂おしさ
好きなひとに触れた感触は
すぐそばにいなくてもずっと忘れることなく
あの人を覚えている


25歳で早世した詩人ジョン・キーツの恋を
彼の愛した女性の視点で描いた悲哀の物語

紡がれる言葉、移ろう季節の瑞々しい情景
フェルメールの光の粒を思わせる空気感
ゆっくりと距離を縮めていくふたりを見つめる
天使のような幼い妹の視線

ファーストシーンからエンドロールの
最後の瞬間まで
終始ロマンティックでうっとり✧︎
儚い恋に身を焦がすふたりの横顔が
なによりうつくいのです



2022-96
ゆうゆ

ゆうゆ