アキラナウェイ

パウダーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

パウダー(1995年製作の映画)
3.8
借りぐらしのアキラッティ。
フィルマのお友達からお借りしましたよっと。

ちょ、待って。

レビューを書くにあたって調べていたら、本作「パウダー」の主人公ジェレミーを演じたショーン・パトリック・フラナリーって、「処刑人」のコナー!?コナーなの!?

スキンヘッドで真っ白けだからわからなかったー!!

妊娠中に落雷に遭い、命を落とした母親と一命を取り留めた胎児。生まれつき色素がないアルビノの障がいを持っていた胎児を見て、父は養育を拒否。かくして、ジェレミー "パウダー"リードは、祖父母によって人目のつかぬ地下室で育てられた。祖父母が亡くなり、天涯孤独となってしまった彼を心理学者であるジェシー・コールドウェル(メアリー・スティーンバージェン)は、外の世界へと連れ出す事を決意する。

「BTTF3」のクララ役でお馴染みのメアリー・ステーンバージェン。特徴的な声が好き。

保安官のダグ・バーナムを演じるは、「エイリアン2」のランス・ヘンリクセン。白い体液をぶち撒けて身体が真っ二つになるシーンは未だにトラウマ。

ジェレミーが通う事になる高校の物理教師ドナルド・リプレー役にジェフ・ゴールドブラム。「ザ・フライ」で蝿になっていく過程が同じくトラウマ。

トラウマ級のキャスティングだけど、彼らは基本的に良い人達。

体毛のない真っ白い肌を持つジェレミーを奇異な目で見つめる住民達。容赦なく彼を苛める同級生達。

しかし、彼には隠された能力があった。

常人離れした知性。
落雷を受けた影響なのか、
大量の電磁波を放つ特異体質。
手を繋ぎ、心を繋ぎ、感情を伝える特殊能力。

次々と巻き起こる、ジェレミーの奇跡に心が揺さぶられる。

彼は生まれてくる時代が早過ぎたのかも知れない。

ジェレミーはいつも浮かない顔をしている。
世の中を憂いている様だった。
身も心も真っ白な彼には、この世の中は黒過ぎる。

1995年じゃなくて。
2020年にジェレミーが生きていたらどうだっただろう。

誹謗中傷で傷を負い、命を落としてしまった人の事で騒がれている今。彼はきっとそんな世の中をまた憂うのだろう。

現代の我々も、今でも尚、ジェレミーを受け容れる事など出来ない。