ゴン吉

網走番外地 悪への挑戦のゴン吉のレビュー・感想・評価

網走番外地 悪への挑戦(1967年製作の映画)
4.0
網走刑務所帰りの男の任侠を描いた「網走番外地」シリーズの九作目。
高倉健が主演、シリーズレギュラーメンバーの嵐寛寿郎や田中邦衛らに加えて谷隼人や穂高正伸らが共演、真理明美がヒロインを演じる。

博多にやって来た橘真一(高倉健)は、愛宕神社の少年寮で不良少年たちの面倒を見ている鬼寅(嵐寛寿郎)を手伝うことになった。
橘は少年たちのリーダー格の武(谷隼人)が気になり弟分として目をかける。
暴力団・門馬組の親分が、堅気になった武に対して対立組長を殺すよう命じるが… 

”雄大な 博多祭りの日に 長ドス一本 胸のすくよな 大暴れ!” 
干拓作業中の博多湾や開通当時は東洋一の長さを誇った若戸大橋を望む若松、SLが走る北九州が舞台。
高倉健が不良少年たちとの交流を通じて絆を築いていく。
シリーズとしては珍しくロマンスが描かれ、指を鳴らしながらのリズミカルな若者音楽や石原裕次郎の大きなポスターなど若者を意識した作品であることが伺える。
女心がわからないうえに、「ロマンチック」が英語なのかフランス語なのかもわからずに”難しい言葉”と言い放つ高倉健が笑えます。
阿蘇の草千里での池をバックにしたロマンスが素敵です。「何も言わなくていいよ お前は汚くねえよ ちっとも汚れちゃしねえよ お~ 人間が綺麗か汚ね~か 体で決めるんじゃねえぞ ここだよ この心が綺麗なら 人間綺麗なんだ」 
クライマックスでは祇園山笠祭りで賑わう博多の町で、高倉健が長ドス一本で討ち入りして決めてくれます。
「暑かったですね 博多 早いこと網走 お願いします」 

2022.12 BS12で鑑賞
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