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人間魚雷回天のメッシのレビュー・感想・評価

人間魚雷回天(1955年製作の映画)
3.8
海版の特攻隊の話。空の特攻隊の話は数あれど、人間魚雷にスポットを当てた話は珍しく、ある意味で感心しながら観てしまった。本当に魚雷に人が乗って操縦するんだ、とか、なかなかコントロール効かないし乗る意味あるのかコレ?とか。かなり反戦、反特攻の思いが込められていて、終始漂うのは「無駄死にして意味があるのか?自ら死ぬ意味とは?」という自問自答に苦しめられる主役たちの憂鬱な雰囲気。4-5人を中心としてるので、各人様々な苦悩を丁寧に描いていて胸が苦しくなる。特に岡田英次は帝大を出てエリート中のエリートで特攻する意味に最後まで自答し、強烈なラストを迎えてしまう。間違いなく戦争なんてダメだとストレートに思える一本。
あと軍人の同僚たちは「貴様、貴様」と笑顔で呼び合っていて、響きが良くてちょっと面白い。私も明日から同僚に「おはよう、貴様っ。元気かっ、貴様」とキサマと連呼したくなった。
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