監督のライフワークにもなているイスラエル問題のドキュメンタリー4部作の二番目。
イスラエルがどのようにしてパレスチナ人を虐げているのかをつまびらかにしてくれる。
・建設を認めないゾーンを設定してパレスチナ人を追いやる。
・追いやったあとにイスラエル人用の施設を建設する。
・通行許可証の発行・没収でコントロールする。
たくみに合法的（適法かどうかは問わない）に民族浄化を行っている。
為政者にとっては統治のヒントになるうるし、庶民にしてみればこんな状況にならないよう国を監視していかないとならない。
どちらにもいいいぶんがあり、その結果、パレスチナ人が泣いている。
フォークロアな絵面からは連想しにくいけど、これはどの国でも起こり得るディストピアの話でもあった。
このシリーズは素晴らしいね。
面白かった。

イスラエルによるパレスチナ人が生きている土地の占領、というかもはや略奪の手段とロジックが映される訳だけど、言葉にするのも難しいくらいに惨い。ひたすらパレスチナ人を追い出す為に、様々な方法(家を破壊・｢環境保全｣を名目に、土地を買おうと税を払おうと家の建設許可を出さない・分離壁により土地を分断し、農業を破壊・農地を破壊)で追い詰め、結果人々が土地を去った後 ユダヤ人入植地のビルが立ち上る。
冒頭の 家を突如として破壊されたパレスチナ人が叫ぶ言葉のキツさは言語化できない。

特に分離壁付近のパレスチナ人側とユダヤ人側のギャップには絶望する、双方の子どもが笑顔で｢アラブ人/ユダヤ人なんてぶっ殺してやる｣と話し、それぞれが殺し合う絵を描く。イスラエルに、エルサレムに行けば平和に暮らせると思ってたcolonizer達の語る認知の程度も酷すぎる。家族代々100年以上使っていた土地をIDFに突然破壊されて失神する農家 もうこんな映像に対してどんな感情を持てばいいのかも分からない。イスラエルがやってる事はナチ＝泥棒と何が違うのか。現代日本のレイシストが強く共感しそうな虐殺のロジックがただ怖い。