くりふ

コフィーのくりふのレビュー・感想・評価

コフィー(1973年製作の映画)
4.0
【白衣の黒女豹】

これは、びみょーにもっさりしたトコ含め、快作!

コーマン映画で世に出たパム・グリアが、コーマン去り後のAIPで主演花咲く、ジャック・ヒル監督によるブラックスプロイテーション。

妹をヤク漬けにされた看護師ヒロインが、麻薬組織に単独挑む。意外やバイオレント!

開巻5分でおっぱい出して、直後に脳花火ボン!もはや何も信じられなくなった、70年代のアメリカ、がよく出ておりますね。ヒロインもスーパーではなく、揺らぎながら復讐を続ける。どっちに転ぶかわからない、無言のヒヤヒヤ感が最後まで途切れない。

斬新なストーリー展開などないのに、これだけ面白いのは即興的な制作も影響したようです。DVDのパムさんインタビューに貴重な証言がありました。脚本は骨格だけ作り、現場でアドリブをどんどん取り込み、また低予算で編集費を抑えるため、ワンカット長回しも多用したとのこと。

これらが独特の語りとリズムを生み出したようです。設計図通りの制作必須なメジャーからは出てこぬタッチ。

面白いのは、現場の必然から生まれたこのジャック・ヒル・タッチを、後にタラちゃんが作家性として取り込んでいるところ。タラ映画のびみょーにもっさりしたリズムは、お金がない!がルーツだった!

パムさんは、身体の説得力がもの凄い。コフィーは狂気をひと匙ブレンドされた人物ですが、投槍とも思える身体の使い方で、悪に食い込んでゆく。失敗もするが、壊れそうにも見えないから映画は加速する。

その身体のシンボルはもち、黒いココナツなおっぱいですが、売春組織も登場する本作、合計何乳出るやら笑うほどおっぱい特盛なのに、どのパイにもパムパイが負けていないことも、素晴らしい!

他の面白人物では、中盤の敵となるキング・ジョージ! 出てきた瞬間爆笑! ちんどん屋さんか!

♪ジョージ…ジョージ!てなテーマソングにも笑いが止まらない。そんな彼はしあわせになってほしかった…。

他、大盛キャットファイトあり、カー無茶アクションあり、雑な魅力が詰まった大人買い駄菓子箱。CG蔓延の今だからこそ、より面白い!

<2019.7.26記>
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