【白衣の黒女豹】
これは、びみょーにもっさりしたトコ含め、快作!
コーマン映画で世に出たパム・グリアが、コーマン去り後のAIPで主演花咲く、ジャック・ヒル監督によるブラックスプロイテーション。
妹をヤク漬けにされた看護師ヒロインが、麻薬組織に単独挑む。意外やバイオレント!
開巻5分でおっぱい出して、直後に脳花火ボン!もはや何も信じられなくなった、70年代のアメリカ、がよく出ておりますね。ヒロインもスーパーではなく、揺らぎながら復讐を続ける。どっちに転ぶかわからない、無言のヒヤヒヤ感が最後まで途切れない。
斬新なストーリー展開などないのに、これだけ面白いのは即興的な制作も影響したようです。DVDのパムさんインタビューに貴重な証言がありました。脚本は骨格だけ作り、現場でアドリブをどんどん取り込み、また低予算で編集費を抑えるため、ワンカット長回しも多用したとのこと。
これらが独特の語りとリズムを生み出したようです。設計図通りの制作必須なメジャーからは出てこぬタッチ。
面白いのは、現場の必然から生まれたこのジャック・ヒル・タッチを、後にタラちゃんが作家性として取り込んでいるところ。タラ映画のびみょーにもっさりしたリズムは、お金がない!がルーツだった!
パムさんは、身体の説得力がもの凄い。コフィーは狂気をひと匙ブレンドされた人物ですが、投槍とも思える身体の使い方で、悪に食い込んでゆく。失敗もするが、壊れそうにも見えないから映画は加速する。
その身体のシンボルはもち、黒いココナツなおっぱいですが、売春組織も登場する本作、合計何乳出るやら笑うほどおっぱい特盛なのに、どのパイにもパムパイが負けていないことも、素晴らしい!
他の面白人物では、中盤の敵となるキング・ジョージ! 出てきた瞬間爆笑! ちんどん屋さんか!
♪ジョージ…ジョージ!てなテーマソングにも笑いが止まらない。そんな彼はしあわせになってほしかった…。
他、大盛キャットファイトあり、カー無茶アクションあり、雑な魅力が詰まった大人買い駄菓子箱。CG蔓延の今だからこそ、より面白い!
<2019.7.26記>