アメリカはニューヨークにアイルランド系の父とイタリア系の母との間に生まれ、幼い頃から町を我が物顔で取り仕切るマフィアに憧れる少年期を過ごしたヘンリー・ヒル。11歳で使い走りとなったことで当たり前のように裏社会入りした彼が、様々な陰謀が交錯する裏社会でのし上がっていく様を描いたマーティン・スコセッシ監督作品です。
ノンフィクションを原作に25年のマフィア人生をシーンを次々と切り替えて駆け抜ける作品で、レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシらのアンサンブルが織り成す物語はダイジェストでも濃厚、それでいてバイオレンスはリアルで、急激に駆け上がり急激に沈んでいく様は、まるで花火を見ているかのような鮮烈さがあります。
本作が確立したスピーディな展開は現在に至る映画界の潮流となりました。ロックで例えるならハードコア的で、パンクをより速くラウドに進化させたそれは、後にメロディアス、エモーショナル、カオティック、スラッシュ、あるいはヒップホップらの他ジャンルの融合と表情を様々に変えていきます。しかし全ての源泉はここにあるのです。
