千年女優

アシスタントの千年女優のレビュー・感想・評価

アシスタント(2019年製作の映画)
3.5
大学を卒業してニューヨークの映画制作会社に就職した女性で、映画業界への憧れも束の間、五週間を経てアシスタントととは名ばかりの雑用の連続に疲弊するジェーン。加えて「大物」のプロデューサーのプライベートな雑務まで押し付けられて意気消沈する彼女が、周囲からのサポートも受けられぬまま過ごす一日を描いたドラマ映画です。

オーストラリア人女性監督で現代社会において「女性」であることにフォーカスした作品を手掛けるキティ・グリーンが製作から脚本、監督まで手掛けた2019年公開作品で、#MeToo運動の先駆けとなったハーヴェイ・ワインスタインを想起させて業界における女性の立ち位置を描いた物語とジュリア・ガーナーの演技が高く評価されました。

ワインスタインの元アシスタントを含めて当事者たちのインタビューを経て作られたとあって現実味のある内容になっていて、扇情的な大物のセクハラだけでなく、あらゆる所にある「見下し」を捉えます。主題故致し方なしとはいえやや肩が入っているところはありますが、自己実現の時代にディスポーザブルに扱われる辛さに迫る一作です。
千年女優

千年女優