このレビューはネタバレを含みます
主要なキャストの演技が素晴らしく、長々と回しているようなシーンも少なかったので、時間の割りにあっという間だった。少年期、青年期のヘンリーのマフィア達への憧れと対照的に、自分の出自により幹部にはなれないと分かってからの転落、かつて掟として叩き込まれたことを破って裏切る様が見事だった。60年代〜80年代のシーンに合わせた音楽や文化の変化も、その辺りの文化が好きな自分にとっては楽しめる要素の一つだった。マフィアを擁護する訳ではないが、どっしりと構えて街を牛耳り、華々しい生活を送るほんの一部の幹部を除いては、それに憧れながらも決してなることはできない使い走りの構成員が大半だったのだろう。そして、喧嘩っぱやいトミーや心配性のジミー、思慮が浅いヘンリーも結局、血の繋がりもそうだが所詮大物になれる器ではなかったのだと思うし、華々しいシーンは多いが、マフィアを美化した映画では全くないのだと思う。
