inazuma

グッドフェローズのinazumaのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
4.5
最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』に備えてスコセッシ代表作をウキウキで鑑賞。

実話をもとにした犯罪伝記映画🔫

こういうギャング(ヤクザ)映画で楽しい(怖い)のは"何気ない会話"が突如として恐ろしく気まずい空気に変わり、下手すりゃ暴力の引き金となるところ。ギャングにとっては楽しい(?)日常会話なんでしょうが、観てるこっちはチビりそう!
本作では揉めたがり屋さんのジョー・ペシによる見事な会話ブチ壊しが炸裂しております。笑い話しといて「何がおかしい」は理不尽すぎて笑った。個人的に心に残る会話ブチ壊しは『アウトレイジ ビヨンド』の西田敏行。訪ねてきた格下ヤクザに「そちらの会長は今日いらっしゃらないのですか」と何気なく聴かれ、「会長がいるかいないかが、お前らと何か関係あるのか」と静に恫喝するところはマジで怖いですが、同時に言ってることも分かる。理不尽な恫喝ではないので、本当に怒られてる気分になるところが上手い。今回のペシは会話ブチ壊しといて「コイツ、ビビッてやがるぜ笑」と子供みたいに笑うところが西田と対照的と思いましたが、直後にちゃんと「そんなんじゃサツの尋問に耐えられねーぜ」とさり気なくプチ説教挟んできて、凄みを利かせてくる。
もうペシがとにかく素晴らしくて、カタギにも容赦なく手を出し、見境なく人を殺めるサイコぶりはたしかにマジ怖いですが、同時に愛嬌あるキャラクターにもなっている。同じスコセッシギャング作品『ディパーテッド』のジャック・ニコルソンや『ノーカントリー』のハビエル・バルデムみたいに見た目からして怖~くてカリスマ性が感じられる人物とは違い、ペシは絶妙な小物感なところがよりリアルな恐怖を感じると同時に愛着もわくです。。あの耳に残る高い嗄れ声もまたそうさせるのかも。あぁ『ホーム・アローン』が観たくなってきた笑。

そして、スコセッシ映画といえばデニーロ!気さくな感じで、ペシの影に隠れてますが実はいちばん怖いオッサン。うん、この人もやっぱり超怖かった。
レイ・リオッタは血に飢えた狼みたいな目が印象的。もう亡くなったのか、、惜しい。。
若かりしサミュエル・L・ジャクソンが出ててビックリ。
『ディパーテッド』のジャック・ニコルソン的なカリスマ性ビンビンキャラは本作でいうとポール・セルヴィノでしょうか。すわった目が印象的ですが、助けてから縁を切るという優しい一面には泣いた。。女児に挨拶のキスをあっさり拒絶されるポールが可愛かったです。
inazuma

inazuma