TakuoAoyama

グッドフェローズのTakuoAoyamaのネタバレレビュー・内容・結末

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「マフィアはサツに行けない連中を保護する。言ってみれば"ワイズガイ"どもの警察だ。」

「こいつはいい奴だ、仲間だ。俺たちはグッドフェローズ。ワイズガイなのだ。」

美化することなく、リアリティあるマフィアの盛衰を描き、ボスではなく、ヘンリー・ヒルという一団員にフォーカスを当てた実話を基にした映画。

法廷での証言と引き換えに司法取引による保護を受け、自身の身を守ったヘンリー。
後にインタビューで本物のヘンリーが99%事実と語る。

また、エンドロールでも事実が流れる。

ヘンリーヒルは今も保護下にある。1987年麻薬で逮捕。5年の保護観察に。1987年以降はシロ。1989年ヘンリーとカレンは25年の結婚生活の末別居。
ポール・シセロは1988年刑務所で死亡。死因は呼吸器疾患。73歳。
ジミー・コンウェーは殺人罪で現在も服役中。仮釈放の許可は2004年。彼は78歳となる。

公開当時は暴力問題のため、試写会で席を立つ観客が大勢いたという。

劇中挿入される名曲達とナレーション。

ジミーがカウンターでタバコをふかすシーンで流れるSunshine Of Your Love/Cream
改めてデ・ニーロは目で語る役者だと感じた場面。

車内で殺された死体のカットで流れる
Layla(いとしのレイラ)/Derek and the Dominos(クラプトンが在籍したバンド)
…そこで使うの?って衝撃が走る笑

Mannish Boy/Muddy Watersも流れる。

今でこそ珍しくないが、印象的な車のトランクで死体を運ぶシーンからのタイトルコールで過去に遡ったり。

トミーが笑える話の途中いきなりシリアスになるシーンは敢えて周囲の人間の表情も映し、表情の変化から雰囲気を伝えたかったとか。

並ぶことなく、裏口から厨房を通ってコパ・カバーナに入る長回しのワンカットも象徴的。

これらの数々の拘りによってスコセッシがリアリティある作品を芸術に昇華させる。

「俺にはつらい。すべてが変わった。賭博もやらず、行列に並んで待つ。食い物もひどい。スパゲッティのマリナーラ・ソースはただのケチャップ。

クソ面白くない。これが死ぬまで続く。」

皮肉ったセリフとMy Way/Sid Viciosでエンドロール。
TakuoAoyama

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