このレビューはネタバレを含みます
2021/9/20(月)
大人になった主人公には
語り手の役目しかなかったのだろうか?
彼の歩んだ人生をもっと見たかった。
大人になった主人公の家の内装を見るに、
写真の仕事で成功を収めたのだろうか。
だが、仮に大人になったボビーにさらに焦点を当てたなら、かなりシリアスな話になったと思う。
現在の大人のボビーは、親しかった人の死すら知らされず、愛していた女性も知らぬうちに亡くなっていた。
もしこの現実的な物悲しさがボビーの幼少期に適用されれば、ボビーは母親に更に疎まれ
親子やテッドが住んだ場所は治安が悪く、テッドの家の経済状況も良くなかったかもしれない。
これは子ども時代の美しい思い出が主役のお話だから、大人のボビーの登場はナレーション程度に留めたのだろう。
鏡と家を横切る登場人物の演出の意味が知りたい。
何か特別な意味が込められているのだと思う。
鏡が様々なシーンで使われていた。
鏡が映すのは登場人物であり、
幽霊や不思議な世界ではない。
登場人物たちを映す鏡は
ピカピカに磨かれており、曇りやひび割れがない。
大人になった主人公が訪れた時の、家の中のガラス窓とは正反対だ。
主人公が幼なじみの女の子を写真に写していた事と、鏡は関係があるのだろうか。
家の中を一直線に横切り、
部屋を移動していく人物はどういう意味なんだろうか?
テッドも母親も同じように家の中を横切り、部屋を移動していた。
テッドと母親の移動の仕方が全く同じに作られていると気づいたのは、撮り方が同じだったからだ。
その独特の撮り方では両者とも全身が映され、画面左を向き、左側の部屋へと移動する。
ボビーは自分から超能力が消えたと言っていたが、残っているのだと思う。
不思議な力をまだ持っているから、偶然出会った少女が、かつて愛した女性の子どもだと気づけたのだと思う。
ボビーの超能力の発動条件は、住んでいた家やその地域やテッドと交流のあった人物と結びついているのかもしれない。