T太郎

レポゼッション・メンのT太郎のレビュー・感想・評価

レポゼッション・メン(2010年製作の映画)
3.7
930
ジュード・ロウ主演の近未来SFアクション。

こういう作品においては、面白い設定がその成否を決めると言っても過言ではない。
この作品についてはどうか。
残念ながらそれほど目新しさはなかったかもしれない。

だが、面白かった。
私は好きだ。

人工臓器がお手軽に移植できる世界。
生体移植の順番待ちをする事なく、必要な時に移植を受ける事ができるのだ。

お金持ちだけではない。
私のように富も名声もないハンサムなだけが取り柄の男でも可能なのだ。
実にありがたい。

しかし、恩恵を享受したならば、それに見合う対価を払うのは当然の習いである。
期限までにお代を支払わなければ、回収人がやって来て人工臓器を回収されてしまうのである。

どのように回収するのか。
お腹や胸をかっさばいて手掴みで人工臓器を引っこ抜くのだ。
実に荒っぽい。
当然、臓器を回収された者はそのまま死亡する。

回収人は非情だ。
命乞いを聞く耳など持っていない。
いくらハンサムでもそれは無理なのだ。

ジュード・ロウ演じる主人公のレミーは腕利きの回収人だ。
相棒のジェイク(フォレスト・ウィテカー)とともに嬉々としてこの仕事をこなしていた。

しかし、ある事故で重傷を負い、図らずも人工心臓を埋め込まれてしまう。
この後の展開は容易に想像できるだろう。

レミーは回収の仕事ができなくなる。
相手が同じ人間なのだと今さらながら気づいたからだ。

となれば、お金を稼ぐ事ができない。
だから、人工心臓のお代を支払う事もできない。
挙げ句、回収人から追われる身に・・・

追っ手を排除しつつレミーの逃亡劇が始まるのだ。
親友であるジェイクも彼を追ってくる。
レミーの運命や如何に!

そんな物語だ。

他にも大小の枝葉となるエピソードがあり、決して単純な話ではない。
虚無的なラストシーンも良かった。

ジュード・ロウとフォレスト・ウィテカーが結構アクションを頑張っている。
銃撃戦より格闘場面の方が多い印象だ。

カーチェイスもある。
だが、一瞬だ。
こんなカーチェイス場面見た事ない。
実に斬新である。
実はこの作品、コメディでもあるのだ。

気になった方は是非とも観ていただきたい。
私は面白かった。
T太郎

T太郎