こまだこま

花様年華のこまだこまのレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
3.5
ウォン・カーウァイ監督作品。主題、映像、音楽を総じて、今まで観てきた作品の中でダントツの大人度だったと感じた。
隣人かつ既婚者同士の恋愛。周囲に察されないように隠して育む関係や、お互いの配偶者との溝や距離によって応じた各々の孤独が丁寧に表されていた。言葉がなく、人物が佇んでいるだけで気だるさや憂いが表現されていたところが凄いと思った。
赤と緑といった補色の使い方、画面転換でのハッとさせられるような構図が印象的だった。そしてタバコの煙が綺麗だった。
あとは女の人の強がりがいじらしかったなぁ。男の人は中盤から後半にかけて自分の今の思いをストレートかつ正直に表出できていたけれど、女の人側は自分の気持ちを抑え込んでいる部分や気持ちや立場上のジレンマに苦しんでいる部分がクールさの中に時折垣間見えていた。見ていてもどかしかった。

この世界観にどっぷり浸って満喫するには自分がまだまだ青くて未熟だと感じた。
こまだこま

こまだこま