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花様年華のyのレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
4.0
グザヴィエ・ドランが影響を強く受けたというのに納得。
扉や柵越し、背中越しに移る鏡、全て何かに遮られているようなカット。
ファイヤーキングの食器、家具、カーテン、衣装、壁紙や建物、それらの色、配置。
後ろ姿、スローモーション、シンメトリー、足元だけ、手元だけ、天井からゆっくりと降りてくる
様々なカットがどれもかっこよかった。

全ての、どの瞬間を切り取っても、それは大袈裟ではなくて本当にどの一瞬でさえ絵になる、恐ろしく計算され尽くした映像だったと思う。

ストーリーも、ベタと言えばベタなんだけど素敵だったと思う。
最後のアンコール・ワットのシーンは切なくてしびれた。
音楽も素敵だったし、とにかくマギー・チャンていう人がすんごい美しい。

けどジャケットの絵はせめて本編で使ったのにしようよ。
そもそもウォン・カーウァイの映画は絶対観たい種類のやつじゃないっていう認識だった上に
この絵だとちょっとエロい映画かと思って随分長いこと見る気無かったから。
損してたわほんまに。
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