クリムゾンキング

賭はなされたのクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

賭はなされた(1947年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

労働者階級で活動家のピエールと富裕層のエヴは色々あって同時刻に死亡してしまうが、冥界の手違いで「本来は出会うはずの運命の二人」であることを知らされる。
24時間以内に互いに信頼し合い真の愛を育めば蘇ることができるが、ピエールは蜂起がバレているために同胞の行く末を心配し、エヴは自分を毒殺した夫が妹を狙ってることが気がかりで、結局うまく行かない。

サルトルが脚本書いたっていうけどサルトルなんて読んだことないしー、とか思ってたけどとってもわかりやすくてしかも面白い。

冥界の入り口「ラゲネジー通り」の演出や生者と死者が実は同じ場所に存在している(けど交われない)とか、鏡に映らない、などといった舞台的な演出も目を引くけれど、冥界ではなんのしがらみもなく愛しあえた二人が現実世界では身分の違い、自分の信条(属する集団)などのせいで全くうまくいかない、というのが皮肉めいている。
全く同じ状況ながら死者と生者での対比が非常に面白い。

よみがえりに希望を持つ若者と互いにまた別の道を歩む2人を同じ画面に収めたラストカットがなんとも秀逸。