乾燥機

ヒミズの乾燥機のレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
4.4
ヒミズという映画について綴る。

この映画の原作であるコミックも読んだことがあるが、映画の方が少し重苦しさが緩和されていたように思う。

本作の主人公は、ただ普通に生きることを望んでいる少年だ。
しかし彼は、クズな両親のせいで普通に生きることが次第に困難になっていく、、、 普通とはなんだろう?と考えさせられる作品。

作中で彼は重大な選択をするのだが、あれは果たして過ちなのだろうか?

罪であることは間違いないが、過ちであるかは正直僕にはわからない。

僕は、この作品に少しだけシンパシーを感じた。

僕の場合はクズなのは父親だけだったし本作よりは遥かにマシだったが、その血を引いていることにゾッとすることが学生時代多かった。

本作には重大な選択をするシーンがあると先述したが、僕にも重大な選択をする場面はあった。

ただ、僕の場合は彼とは全く違う選択をした。
二度と会わないという選択だ。

その選択肢が僕にあったのは母の選択のおかげだ。

その選択肢が、もし僕に無かったら他人事じゃなかったかもしれないと思うと怖くなる。

けれどだからこそ、この映画の主人公(住田)を演じた染谷将太が作中で 「俺の未来は誰にも変えられねんだ!
俺はお前らみたいなクズにはならねー!
俺は立派な大人になるんだ!」 という台詞を叫ぶシーンが僕に刺さったのだろう。

この台詞ほど刺さった台詞は他に無い。

そして、孤独に過ごすことは何より危険だ。
乾燥機

乾燥機