やっぱり原田監督の最高傑作は本作でしょうね。
和製ノワールのマスターピース
確かな演出力と脚本を元に、
俳優陣が最高の演技で魅せることで、
こんなにも「オフビートな会話」が極上に仕上がるとは…
最近のシュール( )ギャグ系監督はみんな本作を煎じて飲んだ方が良いよ!!!
本作独特の乾いた笑いや、余りにも軽過ぎてゾッとしつつも笑えてくる「死」の描写は、確かにたけし映画に通じる物がありますね。
本作の一番面白いポイントは、映画の殆どが本筋とは関係ない、メインキャストの絶妙な演技アンサンブルで見せる寄道シーンの積み重ねで出来てる所。
この「本筋と関係ない描写の積み重ねで映画全体に奥行きを与える」のが原田演出の一番の特徴だと思う。
そして本作が、最もその演出が成功している。
本当に復讐する気ある?と思わせるくらい当てもなく行き当たりばったりで行動する主人公たちと一緒に出口の無い迷路をさまよっているような不気味さと、
同時に一生ここから抜け出したくないような心地よさも味わえる他には無い不思議なバランス。
この辺りのある種の無邪気さは「ソナチネ」を連想させる。
改めて役所広司さんという役者の凄さを再認識する作品。