ポンコツ娘萌え萌え同盟

剣に賭けるのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

剣に賭ける(1962年製作の映画)
3.8
剣一筋に──まさしく剣に賭ける男、市川雷蔵が演じる千葉周作がカッコイイ良作。
最初こそは腕が立つ青年剣士だが修行や戦いを積む中で、浅利の言う”剣即心”について模索していく。
本作の"剣即心"の確立は、一種のアイデンティティの確立をする物語であり、それこそ剣に賭けた男の信念に結び付き悟りの境地だ。
最後には背景と姿も相まって達人の境地どころか神々しさまで感じる。

悪役として出てくる寺田七郎太を演じる天知茂もいい。とくにあの獣のような眼球が恐ろしくも記憶に残る。しかし邪剣と評された彼だがその要素が本作で"ただの敵"ではなく比較的な立ち位置にあると思った。
ただの敵が野蛮な山武士がその位置。邪剣で豪腕、剣を意のままに振るう七郎太は、まさに心を持って心を斬る事にたどり着いた千葉とは対象的だ。