【完璧な女性像👩🦰】
ゲイセクシャルだったジョージ・キューカー監督の女性特有の神経症や不安心理を流麗な映像感覚で綴ったニューロティック・スリラーの名作。
ヒッチコックの『レベッカ』よりもさらに耽美的なムードが強く、ロンドンの街並みの造形が独特で絵画のような映像が素晴らしい達成度である。
主演イングリッド・バーグマンの疑心暗鬼状態がこっちまでハラハラさせてくれる見事な演技力で、アカデミー主演女優賞も納得の存在感を見せる。どこか燻んだロンドンの世紀末感漂うミステリアスな風景が取り分け印象的。
このようなハリウッド映画らしからぬ、ヨーロピアンな雰囲気も捨てがたい。シャルル・ボワイエの優柔不断な雰囲気が気持ち悪く、叔母を殺した犯人は⁉️という謎解きに打って出るシークエンスの巧みさがキューカー流語り口なのかも。全く飽きる事はない。
アメリカ版成瀬巳喜男、それがジョージ・キューカーとも言える。バーグマンのあまりの美貌に頭クラクラ😵💫してくるサスペンスフルな名画。