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Mのkojikojiのレビュー・感想・評価

M(1931年製作の映画)
3.7
フリッツ・ラング監督作品
1920年代、ドイツを震撼させた連続殺人鬼ピーター・キュルテンをモデルにした初のトーキー作品だ。
この映画はサイコスリラー映画の始祖と言われると同時に、アメリカにおけるフィルム・ノワールの成立に大きな影響を与えたと言われる。
なっといってもこの殺人鬼を演じるピーター・ローレの演技に注目。ものすごく気持ち悪い。その熱演たるや目の玉が飛び出るのではなかろうかと思うほど。

#1407 2023年 441本目
1931年 ドイツ🇩🇪映画
監督・脚本:フリッツ・ラング
脚本:テア・フォン・ハルボウ

 ドイツのある町で小学校の女生徒が惨たらしく惨殺される事件が連続して起きる。
逮捕した者には懸賞金が出るポスターも貼り出される。
 その治安を司る警察署は非難と讒謗の矢面に立たされ、次々と容疑者が検挙されるが、本当の犯人は冷然と俺は無事だと新聞社に投書する。
 ある日町の風船売りの盲目の老人が、被害者の一人エルシーが誘拐された時にこの口笛が聞こえたことを思い出す。老人は通りがかりの青年にこれを告げる。青年はすぐに後を付けその男の肩にはM(Murder)の印が付けた。これが目印になり、青年の仲間の暗黒街の集団に捕らえられるのだった。
 殺人鬼を待っていたのは彼等の彼等による裁判だった。この展開は非常に変わっていて、そこでの殺人鬼の主張も面白い。思いもしないような展開だった。

めちゃくちゃ面白いとは言えないが、それなりに楽しめた。
モノクロの画面の陰影がカラーにはない独特の雰囲気が印象に残る。

因みに、本作の制作年1930年にはドイツ国会選挙で、ナチスが改選前12議席から107議席へ大躍進を遂げる。狂気の時代へ走り始めた年だ。
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