Xでこの映画に関するポストが回って来て気になったので鑑賞。
1930年のドイツで少女が何者かに連れ去られ殺される事件が多発していた。
警察は総力を挙げて犯人逮捕の為に捜査を行うが解決の糸口さえつかめないままだった。
捜査の為に街に警察が溢れる状況を事件と関係の無い犯罪組織は良いように思わず自らの手で犯人を捕まえようと画策。警察、犯罪組織の両方の捜査により次第に犯人の素性が分かり出していく…と言うのが大まかなストーリー。
警察、犯罪組織の捜査により殺人事件の犯人へと辿り着く過程の中で光るのは犯人役のピーター・ローレの演技。
捜査の手が彼にまで届き窮地に立たされた彼の表情と動作に現れる驚愕。正に迫真の演技。
序盤から中盤までは犯行を繰り返す犯人の持つ"悪"が描かれるけど終盤では「群集心理」による"悪"が描かれる。
犯人の行った事は確かに凶悪な事ではあるが、人民裁判を開き犯人を吊るし上げようとする民衆にも確かな"悪"が存在していると感じるシーン。
無音の中で大勢の人間が犯人をじーっと見つめるシーンがかなり恐ろしい。無音の圧力を嫌でも感じる。
後、90年以上前の映画なのに演出がキマってて今でも充分通用するレベルなのホント凄い…。