そうですふぎみやさんです

ONCE ダブリンの街角でのそうですふぎみやさんですのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
3.8
せつねーー!
たとえるなら一夏のアバンチュール、夏の夜の夢。まどろみから覚めれば日常へ帰る。
でもきっと忘れない。誰にだって忘れられない、あの楽しかった日のことは。

序盤に女が言った「吹っ切れてるなら曲になんかしないでしょ?」がこのお話の全てだと思う。
男は元カノに、女は別居中の旦那に未練がある。歌にしてしまうほど…だから互いの曲を聴いて背中を押してあげた。
でも2人が惹かれあっていたのも確かで、ちょっと違えばマチガイだって起きたかも知れない。だからこそ…せつねー。
旅立つ日に彼女の娘が大泣きしてたのが尚更切ない。

にしても音楽は良いものだ。互いをよく知らなくても、音さえ出せれば繋がれる。
序盤のセッション、バスでの即興ギター、レストランでのライブ…劇中音楽に関するシーンがほとんど占めていたし、色んな曲が流れた。
実際アイルランドは色んな所に音楽があって、人々の営みに寄り添っている。美しい自然とエネルギッシュな人々、そこに音楽が彩りを添える国だ。
そのアイルランド・ダブリンの街をありのまま自然に映した映像もまたこの作品の魅力。

あ〜アイルランドまた行きてえな、なんて思ってしまう作品でした。