るるびっち

いつでも夢をのるるびっちのレビュー・感想・評価

いつでも夢を(1963年製作の映画)
3.4
高度経済成長期、明日の夢にまっしぐらな時代の話。
浜田光夫が貧乏から抜け出すために働きながら夜間高校に通い、大手に就職しようと奮闘する。
しかし偏見のせいで夢を叶えられない。
それでも明日に向かって頑張ろうと奮闘する。
貧乏や差別や家庭不和もあるのだが、それでも経済発展期には明日への意欲や希望があったのだろう。
今見ると夢のような時代である。
『いまでは夢よ』なのだ。

浜田光夫・吉永小百合・橋幸夫の三角関係もある。
だが、本作の本当の主人公はこの時代の日本だろう。
田舎の老母が東京タワーから街を見て、その発展を讃える。未来への明るい希望にあふれていた。

現在、儲けているのは外国人株主に乗っ取られた大企業と政府であろう。
協力している政治家は企業からのお小遣いで「領収書は10年後に公開ね」と、ボケ発言でウハウハだ。
官僚も天下りで何度も退職金をもらう。新しい政策で利権を作れば、天下り先が増えてこちらもウハウハ。
お人よしで怒らない国民のお陰で笑いが止まらない。
ルール厳守を学校で躾けられてるせいか、怒る前に自殺してしまう。
賃金は上がらないが自殺率は順調に上昇する。
悪い奴ほど安眠安泰の国だ。

長年の不況で民間に投資する力がない。
民間に力がないのだから政府が投資する以外ないが、緊縮財政の呪縛で国債発行は制限されている。
税収は過去最大。国民から搾取して政府は黒字化。国民は赤字で貧困化。結婚もできない状態。
国債は孫・子に借金を負わせると、嘘上彰などの洗脳系マスコミは言う。
しかし貧困で結婚も子育ても難しく、少子化が加速しているのだから、産まれない孫の心配しても仕方ない。
将来の不安より、いま金をつぎ込まないと貧乏から脱しない。
民間に力がないのだから、政府が国債発行する以外に上昇する手はないだろう。政府は大いに借金すべきだ。でないと国民が貧困化する。
そもそも政府の債務を、勝手に国民の借金扱いにするな。オレオレ詐欺よりタチが悪い。

本作の時代は、戦後復興で国債も海外からの融資も受けていた。
借金を一杯した分だけ、工場を造り産業を発展させ供給力が増え、インフラ整備で流通が発展し街が広がり経済発展を遂げたのだ。
借金(投資)しないと経済発展なんかしない。
投資しないで儲かるはずがない。
緊縮とは投資せず自己責任として、国が民間にやりくりを責任転嫁すること。
国立大学もインフラも国が援助しないと、授業料は上がり市営バスは廃止される。
溺れる者は自力で泳げ、国債という浮き輪は貸せない。これが政府の態度だ。能登地震で補正予算を組まなかった節約ぶりなのだ。
国が損をしないということは、国民に損を押し付けるということ。
政府が黒字になると、国民は赤字で貧困化する。
それは大勢の人に夢を捨てさせる。
国が借金していた昭和の方が、
『いつでも夢を』と希望に満ちていたのだ。

大事なのはお金ではなく供給力だ。
供給力がある内に、思い切った投資をしないと本当に何も作れなくなり国力が削がれる。
インフラも食料も薬も、何もかも作れない衰退国になるだろう。
財政破綻はしないが、貧困飢餓国になる。
国が発展すれば国債が膨らむのは当然だ。
それを将来にツケを回すという妄想で、ケチれば国力はしぼむ。
国債は借金ではなく投資なのだ、国民にとっては資産になる。
『いつでも借金を』することが夢を追う近道だ。国の場合は!
(国と個人は立場が逆。個人で借金まみれになったら『いつでも高跳び』ww)
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