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薮の中の黒猫のyaaaのレビュー・感想・評価

薮の中の黒猫(1968年製作の映画)
4.0
平安時代。夜な夜な羅城門に侍を誘惑して惨殺する女二人組が現れる。
地獄の戦地から戻ってきた百姓上がりの英雄が女二人組の討伐を命じられる。
ハイブリッドな化け猫映画。なかなか面白い。「鬼滅の刀」の鬼のエピソードにありそうな、わかりやすい少しウエットな物語が展開する。
冒頭の野武士が山から降りてきて農家に入る所から、セリフなしなのだがかなり引き込まれる。エンタメよりの話に能や竹林での横移動なんかのジャパニーズ要素がいい塩梅で、面白い日本映画は黒澤だけじゃないぞ!とカンヌに出品なのも納得。
佐藤慶さんの源頼光がパワハラ上司で大江山の鬼退治もでっち上げで、広告代理店みたいに宣伝が大事というのは異様におもろいし、太地喜和子さんもビーチク隠さず侍を誘惑するなんて適材適所すぎるし、中村吉右衛門さんももっと出演作品見たい!と思わすし。
乙羽さんは案の定、顔面だけで怖いというブレのなさが貫禄十分。
殿山さんは漫画みたいだったがそれで満足。
白黒なんだが、撮影・照明がしっとりしてて黒く潰れるということもなく素晴らしい。
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