しゅん

六つの心のしゅんのレビュー・感想・評価

六つの心(2006年製作の映画)
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2019.5.17 新文芸坐シネマテーク

不動産オフィスで働く二人の、デスクの物理的な距離がわかるショットが後半に挿入されててハッとする。今まで斜めから撮られていて、比較的近い距離にいると思われていた二人が実際には遠くに配置されていること。この作品全体を通して表現される孤独感がカメラの位置から伝わってくるところにビリビリする。
壁の仕切りの反復、上からの俯瞰視点、そしてビデオテープ。人と触れ合う手応えのなさを噛み締めて生きる六人。作中、終始雪が降っていることが僕を慰めてくれているように感じたのは何故だろう。

レネが通俗的な作品を美しく撮れる作家だと知れてよかったな。
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