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マイティ・ソーのtomoのネタバレレビュー・内容・結末

マイティ・ソー(2011年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

どう考えてもロキが気の毒すぎて終始主人公サイドに共感できなかった。
主役の成長を描くためにソーの性格を当初あえて軽薄に描いているのはわかる。周りのお友達軍団がまあ鼻持ちならない。何があっても信じられる頼れる仲間!って感じにしたいんだろうけど、ソーのやらかしは相当なもんで追放されても仕方ないのに「でも彼がいないとダメ!」という何も考えてない盲目的な心酔で連れ戻そうとする。ソーが王になったら彼らが側近になるんだろうけど、トップを諫めたり進言したりできそうな気配が全くない。本当の忠臣ってのはヘイムダルみたいな職務に忠実かつ自分なりの筋を通す人のことだよ。
一方のロキ、生まれ育ちがとんでもなく気の毒。せめて普通の家庭で幸せに育てさせるとかすればいいのに、将来架け橋になるようにという勝手な希望で王の子として生まれ育つ。そして例のお友達軍団、敵国に行く時にロキに「得意の魔術はどうしたんだよw」という陽キャ特有のイジり。腕力至上主義の脳みそ筋肉連中に弄られながら、兄と比較され低く評価されて育ってきたことを一瞬で感じ取らせる秀逸な描写。そりゃみんなに自分を認めさせたい!ってなるわな。
ロマンス部分は、異世界から来た初対面の人物とのカルチャーギャップを埋めつつ本筋を進めつつ互いに惹かれた描写を、、、というのが映画の尺的にどうしても時間が足りず、ソーが精神的に成長したのは彼女のおかげ、と言う流れに説得力を持たせるのは難しいな。
とまあ色んなところでイライラして大変だった。同じ陰キャとしては、アメリカ映画のステレオタイプなスクールカースト最上位の嫌な奴らの中で苦労してきたロキを応援したい。頑張れ。
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