フェデリコ・フェリーニ監督の出世作となった初期傑作。
イタリアの小さな港街。定職に就かずに日々を過ごしている5人の若者の姿を描いた青春群像劇。
「芸術を愛せぬ者は、人生も愛せぬ者だ。」
めっちゃええやん!
モラトリアム映画の名作。フェリーニ作品ということで少し構えて観始めたが、中産階級の大人になりきれない若者(ガキ)たちを、愛を持って面白可笑しく描いているので、肩肘張らずに楽しめた。想像以上に、コミカルで賑やかだった。
やっぱりフェリーニ作品は、ラストシーンが格別!列車で街を後にする"彼"が、ベッドで寝ている友人たちに黙って別れを告げているかのようなモンタージュシーンが秀逸だった。友達となった駅員の少年の後ろ姿にもグッときた。素敵な余韻に浸った。
フェリーニ作品と言えば、ニーノ・ロータの音楽。愛と切なさと懐かしさを感じる軽快なメロディが心を揺さぶってきた。スキップしているようなスイング感が良い。
若者達が上質な服を着ていて、いちいち格好良い。
次回は、『フェリーニのアマルコルド』と連続鑑賞したい。
・最後の台詞"Good-bye Guido"はフェリーニ監督本人が吹き替えをしていることから、本作は自伝的作品だったのだと信じられている。
・映画化は叶わなかったが、モラルドを主人公にした続編の脚本が、英語で出版されている。その一部のエピソードは、『甘い生活』に採用されている。
・リカルド役は、監督の実弟リカルド・フェリーニ。
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