バナバナ

チザムのバナバナのレビュー・感想・評価

チザム(1970年製作の映画)
3.6
この作品は、アメリカで1880年に本当にあった、リンカーン郡戦争をモデルにしているらしい。
『チザム』というタイトルも、ジョン・ウエインが演じるジョン・チザムという実在の大牧場主の名前。
ビリー・ザ・キッドやパット・ギャレットの名前は聞いた事があったが、このリンカーン郡戦争に関わりがあったのね。

ストーリーは、町を支配しようと無茶苦茶やり始めた振興成金に、チザム達はあくまで法による解決をと我慢を重ねてきたが、とうとう堪忍袋の緒が切れて、大乱戦になるという話。
時代的には、この40年程前に、アメリカに渡っていたジョン万次郎が日本に帰る資金を稼ぐ為に、カリフォルニアの金鉱で短い間働いていたらしい。
インディアンは居留地に追いやられ、みんなが銃を持っている時代に、よくアジア人が無事でいられたものだ。

この作品の時代は、そろそろ法整備が進んできていて、人を殺せるのは保安官と賞金稼ぎだけ。
若い頃に無茶をやっていたチザムも、今は渋々時代の流れに従うが、血気盛んなビリーは社会の常識に従う事ができない、という対比が面白かった。

ストーリーが乗ってくるまでに少々時間がかかるが、走り出してからは忠臣蔵的な要素もあり、ジョン・ウエインが老体に鞭討ってガラスを割りながら戦う肉弾シーンもあり、頑張っている。
史実とは違うのでしょうが、実在の人物がたくさん出てくる群像劇で、面白かったです。
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